KONOE SCREW PRODUCTS CATALOG
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532 A4は金属組織分類の「A」:オーステナイト系ステンレス鋼と「4」:成分含有量の範囲を定め分類したものを数字で示した鋼種区分です。A4の代表的な鋼種はSUS316、SUS316Lになります。このSUS316、SUS316Lの違いは下記の図のように含有成分のC:カーボン(炭素)とNi:ニッケルの含有量が違うことです。SUS316LのLはLow Carbonを表します。含有成分のニッケルが12%になると硬く加工し難くなりますが、カーボン量を低くすることで加工しやすくなります。従ってSUS316を加工しやすくしたものがSUS316Lになります。またSUS316Lのカーボン含有量C≦0.03%はSUS316のC≦0.08%に含まれますのでSUS316のご注文に対してSUS316Lを使用することは問題ありません。 A4ボルトはA4の代表的な鋼種SUS316、SUS316Lの含有成分カーボンとニッケルが含有範囲内に成分設計されており、両鋼種とも満足する製品対応ができることで、二重在庫を防ぐメリットがある六角ボルトです。ステンレス鋼の組織区分:金属組織をA,C,Fで分類します。ステンレス鋼の鋼種区分:成分含有量の範囲を定め、組織をアルファベット(A,C,F)、成分を一桁の数字で表します。ステンレス鋼の強度区分:引張強さの2桁の数字で表します。A1:代表鋼種:SUS303A2:代表鋼種:SUS304,SUS304J3,SUS305,SUSXM7A3:代表鋼種:SUS321,SUS347A4:代表鋼種:SUS316,SUS316LA5:代表鋼種:SUS316N,SUS316LNC1:代表鋼種:SUS403,SUS410C2:代表鋼種:SUS431C4:代表鋼種:SUS416F1:代表鋼種:SUS43050:引張強さが500N/mm2以上のもの。70:引張強さが700N/mm2以上のもの。80:引張強さが800N/mm2以上のもの。SUS316SUS316LA4SUS316C≦0.08%Ni=10.0〜14.0%SUS316LC≦0.03%Ni=12.0〜15.0%A4ボルトC≦0.03%Ni=12.0〜A:オーステナイト系ステンレスこの鋼種は炭素C=0.15%以下、クロムCr=16〜20%、ニッケルNi=8%以上を含み、焼き入れによって硬化はしないが、冷間加工によって発生する加工硬化を利用し強度アップをさせます。また1,000〜1,150℃に加熱急冷することで合金元素が溶け込み、耐食性及び、強靱性がよくなる固溶化処理をします。C:マルテンサイト系ステンレスこの鋼種は炭素C=0.1〜0.4%、クロムCr12〜18%を含み、焼き入れによって硬化・高強度化する。耐食性としては、大気、水、蒸気、薄い酸には十分耐えられますが、表面に鉄粉やその他異物が付着していれば錆びるので、最終製造過程で不働態化処理(パシペート)を行うことが必要です。F:フェライト系ステンレスこの鋼種は炭素C=0.12%以下、クロムCr=16〜18%、高温から急冷しても硬化しない。強度はオーステナイト系同様、加工硬化によって得られます。耐食性としては、大気、水、蒸気、薄い酸には十分耐えられますが、表面に鉄粉やその他異物が付着していれば錆びるので、最終製造過程で不働態化処理(パシペート)を行うことが必要です。A4ボルトについて

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